会員からのメッセージ Vol.3 西 洋志(マルキン忠勇株式会社 営業企画室) |
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| 1999年まで醤油やつゆ・たれ商品の開発・販売企画の仕事に携わっていたが、現在は漬物、特になら漬にドップリ漬かり込んだ毎日を送っている。それというのも2000年4月1日、私が12年間世話になっているマルキン醤油株式会社と、昔は清酒で、現在はなら漬で有名な忠勇株式会社(本社神戸)が合併し、醤油・調味料+漬物メーカー(その他健康食品・清酒・バイオetc…)の「マルキン忠勇株式会社」として新たにスタートしたからだ。それとともに当然私の部署も商品全般に関する開発・販売企画を手掛けることとなった。合併直後の昨年は部署内に元忠勇の社員が漬物関連の仕事をしていたのだが、本年4月に組織変更及び人事異動からその社員が他部署に異動となり、残った元マルキン醤油スタッフが振り分けてなら漬を中心とした漬物関連の企画立案に“挑戦?”することとなったのである。 | ![]() |
| ひと言でなら漬と言ってもいろいろ種類がある。一般的なものは瓜(ウリ)で、“しろうり”と呼ばれるなら漬専用の品種を契約農家にて栽培している。また、これに比べ、皮が薄く歯切れが良いといわれる“阿波緑(あわみどり)”という瓜は贈答用などの高級品として使用されている。なら漬に使用される瓜の主産地は徳島産が有名で、収穫時期は6月下旬からお盆休みあたりまでだ(マルキン忠勇のなら漬製造工場も徳島にある)。 その他に胡瓜(キュウリ)、守口大根、西瓜(スイカ)などがあり、守口大根は、その名の通り大根の一種だが、これも漬物専用の品種で生で食べることはない。最長で2メートル近くもある細長い大根で、河口の砂地で栽培されることが多く、長良川流域が有名だ。また西瓜は、源吾兵衛西瓜といわれる漬物専用の品種で、ちょうどキウイぐらいの小さなもの。未成熟の状態の実を使用するため、落花後数日のうちに収穫する。種が少なく皮がやわらかい、さっくりとした歯ざわりが特長で、紀ノ川流域のものが有名だ。 |
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| では、なら漬はどのように作られるのかを、瓜のなら漬にて紹介しよう。 塩漬けされた瓜を洗って、調合されたなら漬専用の酒粕を瓜の腹(瓜を縦半分に切った部分)に塗り付け、木樽に並べてから、さらに酒粕で漬け込む。その後、下漬↓中漬↓上漬↓仕上漬という漬け込み作業をすることで、べっ甲色をした芳醇な味わい深いなら漬ができあがる。なら漬を製造する上で特徴的なのは漬け替えを繰り返す点。酒粕で漬け込んだ瓜を取り出した後、その酒粕を取り除き、再度新しい専用酒粕を塗り、漬け込む。それを何度か繰り返すことで、瓜の塩分を取り除きながら徐々に酒粕の旨味を浸透させていくのだ。醤油もそうだが、なら漬も非常に手間ひまかけて発酵・熟成させていく漬物なのである。 |
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| 皆さんは、なら漬をどのようにして食べているのだろうか?多分、普通にたくわんとかと一緒で付きだしに、お茶漬けに、といったところだろうか?あるいはここ数年食べたことがないという方も多いのでは。 一昔前までなら漬が一番良く出る時期は年末で、おせち料理に高級漬物として良く使われていた。しかし、ここ数年では7月が一番出る時期になっている。その理由は、“土用の丑の日”、つまり鰻の蒲焼きの付きだしとして出されることが多くなってきているのだ。 土用の丑の日に鰻を食べる習慣は、江戸時代に薬学者だった平賀源内が当時信じられていた、土用の丑の日に鰻をはじめ、うどん、瓜、梅など「う」のつくものを食べると良いという言い伝えにかけて、「鰻は腎水を増し精気を強くし、食すれば夏負けする事なし」と引札に書いたことから広まったとされている。事実、鰻にはビタミンやミネラルが豊富に含まれ、滋養強壮に良いとされている。 なら漬はその酒粕分が脂分を分解し食欲を増すため、夏の暑い時に敬遠されがちな脂っこい鰻の口直しに最適だ。また、なら漬けに使われている瓜は前述の通り、鰻と同様に昔から夏食すれば良いといわれたことから、土用の丑には、なら漬といわれるようになったのである。さらになら漬には「メラノイジン」という茶色の色素があり、これが鰻のビタミン・ミネラルの吸収を助け、スタミナ強化・ストレス解消に役立つことや、なら漬に使用する酒粕(麹)には「活性ペプチド」が含まれていて、内臓の活性化、高血圧の低下、美肌効果(シミ・そばかす)、滋養強壮に良いと言われる。本当に鰻となら漬は相性ピッタリな組み合わせといえるだろう。 |
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| 鰻の蒲焼き以外にも、なら漬を細かく刻んで炒飯やちらし寿司、ごぼうサラダなどにも良く合う。またマヨネーズとあえて納豆と混ぜると、納豆の臭みが消え、なら漬のパリポリ食感が微妙にマッチしてかなりイケる。その他、現在も研究中なので、皆さんも何か良いアイデアがあったら、教えてほしい。
最後にPR的になってしまったが、「なら漬」は、製造工程と同じように、私の小さい身体に徐々に浸透していっている。 |
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