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▼03年10月例会レポート

包丁にまつわるアレコレ
講師:信田尚男さん(株式会社 和泉利器製作所 営業企画部)

 料理に欠かせない道具「庖丁」。今回は意外と知られていない庖丁の知識を会員の信田さんに、代々受け継がれてきた包丁づくりについて、また、歴史や種類、砥ぎ方など包丁にまつわる話をお聞きしました。

 庖丁の歴史

「庖丁」は仁徳天皇の御世に誕生した料理器具。5世紀に17年(〜18年)の歳月と5千人の人手をかけて仁徳天皇陵を建造した時に、全国からスキや鍬を作る職人が今の堺の地に集められた。これが堺の刃物製造の始まりです。東京のハサミ(裁ち鋏・散髪鋏)、種子島鋏、岐阜の関ナイフ、福井の武生ナイフなど全国には刃物の名産地は多くありますが、堺は江戸時代のタバコ切り庖丁が生産され、出刃・薄刃の料理庖丁の産地として発展していきました。その時代はタバコの生産でも葉が専売ではなく、葉を切る庖丁が専売となってお上の収入を支えていました。

庖丁?包丁?

 「庖丁」の漢字は包丁とも書きますがもともとは中国の料理人「庖丁(パオチェン)」さんが使っていた刃物から来ています。

 世界にもいろいろな庖丁があります。有名なのはドイツのゾーリンゲン産。百貨店でも「ゾーリンゲンの庖丁下さい」というお客さんがとても多いです。もちろん和包丁と洋物は作り方が違います。簡単に言うと「刃付け」が違う。箸文化の日本は先が鋭角で魚をおろすのに適しています。ナイフフォークのヨーロッパの庖丁は先が鈍角で肉や野菜をざくざく切るようにできています。また洋包丁は刃全体が鋼ですが、和包丁は鋼と軟鉄を合わせた構造になっています。鋼は曲がろうとする性質があるのでそれを支える背骨の役目を軟鉄に負わせるわけです。庖丁の左右の面が同じものを諸刃、違うものを片刃といいます。

  よくある100円ショップに売っているような庖丁は工場のラインで作る製品です。焼入れをしないのでコストが低いのですが、やはりその分刃物の寿命は短いのです。

 焼入れは庖丁作りで最も重要な工程で金属の分子を活性化させて硬度を上げます。この時、表面に泥を塗るのですがこれは粒子が均一になるからです。

 庖丁の種類

 料亭の板前さんは10種類くらいの庖丁を使い分けます。庖丁の選び方はまず、「何に使うか」をはっきりさせることです。魚をさばく、肉を切る、野菜の皮をむく・・・。いろいろありますね。家で使うときは、薄刃(菜切り庖丁)、出刃、刺身、牛刀、ぺティナイフがあれば充分です。刃渡りは切るものと厨房の大きさによって選ぶのですが、万能庖丁ともいわれる三徳庖丁で18センチくらい、牛刀は長いもので36センチのものもあります。

 庖丁の研ぎ方  まず、砥石選びです。まったく砥いだことない、という人もいるでしょうが切れにくくなったらまず研ぐことで庖丁本来の切れ味を取り戻すことができます。

 砥石は天然のものと人造砥石とがあります。用途によっても荒砥石、中砥石、仕上砥石と種類があります。切れ味をよくするには1000番くらいの中砥石を使います。

 砥石の表面は使っていると真ん中が凹んでくるときがあります。そんな時は道路のコンクリートでごしごしこすって平らにすると良いです。

 (ここで信田さんの庖丁砥ぎ実演となりました。研ぎ方については堺刀司のHP「庖丁の研ぎ方」http://www.sakai-tohji.co.jp/で。)
砥石を水に湿らせて砥ぐのですが、よく水を流しながら砥ぐ人がいます。これは間違いなんですね。砥いでいるときに砥石の表面にでる「べト」というねばねばの泥が必要なのです。べトに少しづつ水を加えて、砥いで下さい。

 この後、会員持参の庖丁で研ぎ方実習。ビストロスマップや料理の鉄人に庖丁を提供するなどメジャーな話題も語っていただきました。

「庖丁にまつわる話」関連サイト
堺刀司  http://www.sakai-tohji.co.jp/
堺刃物商工業協同組合  http://www.sakaihamono.or.jp/main.html

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